自転車ひとり旅


こんにちは。和敬塾東寮1年生の松下と申します。このたび東京から自転車で実家の奈良に帰省し、京都観光に行ってきました。


私の乗っている自転車は、ロードバイクという舗装路での走行に適した高速自転車です。ドロップハンドルという特徴的な形のハンドルを、皆さんも1度は見たことがあるのではないでしょうか。ロードバイクの魅力は、疾走感です。自らの力がそのままペダルを経由して推進力へと伝わる感覚は、1度乗るとママチャリに2度と乗りたくなくなるほど爽快です。行動範囲も確実に広がります。ただ私も和敬塾に入るまで、ロードバイクのことを何も知りませんでした。自転車好きの先輩にロードバイク並びに自転車旅行の魅力を教えて頂き、ロードバイクを購入、普段の自転車通学に加えて今回自転車による帰省に挑戦することになった次第です。


初めての一人旅は、ワクワクすると同時にわからないことだらけでした。準備の段階から先輩に手取り足取り教えて頂き、やっとのことで実家へ向けて出発したのは、8月3日正午過ぎでした。しかしいきなり立ち込める黒い雲…30分も経たないうちに雨が降り出し、雨宿りを強いられる羽目になりました。幸先の悪いスタートになりながらも、なんとか初日は目標の小田原まで到着する事が出来ました。


2日目は小田原城に寄ったのち、1番の難所、箱根越えです。覚悟を決めて曲がりくねった山道を上ります。いつまでたっても上り坂。歩く方が速いくらいのスピードまで落ち込みつつも、昼時になるころにようやく芦ノ湖に到着しました。


3日目は浜松にて名物の鰻重を食べ、浜松城を見、日本三大砂丘の1つ中田島砂丘でまったりしました。

4日目、実家に帰ることを目標に早朝に岡崎を出発。この日この旅行で初めての晴れ間が広がり、爽やかな気分になったのも束の間、今度は灼熱の太陽が照りつけ、私に襲い掛かります。桑名・四日市にて適宜休憩を取りながら、夕方4時ごろこの日唯一の観光スポット、関に到着。関とは三重県亀山市にある東海道の宿場町で昔ながらの町並み・商店街が残っている場所です。私はこういう懐かしい町並みが大好きです。
そしてあとはひたすら進むだけ!実家を目指し猪突猛進…猿の出没するような田舎道を通りながら、伊賀上野を経由し、奈良を目指します。実家についたのは23時でした。


5日目は実家にて熟睡、旅の疲れを癒します。実家の前にて記念撮影。

そして6日目、待ちに待った京都観光!6時半に出発し、清水寺に9時ごろ到着。北野天満宮にてお弁当を食べ、竜安寺の石庭を鑑賞し、金閣寺の美しい眺めにため息をつきました。
次の目的地は源光庵です。源光庵には迷いの窓と悟りの窓という二つの特徴的な形をした窓があって、私はそこで自分と向き合うつもりでした。地図をよく確認することなく進むと坂道に。そして傾斜はきつくなるばかり、自転車を押して進むことを余儀なくされます。やっとくだりに入ったと思い下っていくと、山しか見えない。市街地はどこへ行った?源光庵はどこへ行った?しかも時刻は14時、気温は35℃。引き返してなんとか15時前に源光庵に到着。ほっ。
源光庵は少し郊外にあることもあって静かに眺める事が出来、お勧めです。しかもお寺の方がお茶を振舞ってくださいました。旅の最後の観光スポットは宇治!一度は行ってみたかった平等院。抹茶ソフトクリームは絶品です。

7日目、旅の名残を惜しみながら新幹線にて東京に戻って参りました。この旅行を通して、一人旅の楽しさと辛さを両方味わった気がしました。休憩時間に地図を広げて次にどこに行くか考えること。地元の人との一回きりの会話。時速30キロメートルで市街地や田舎を駆けること。現代日本にもこんなところがあるのかと思わせる懐かしさ漂う風景。無事目的地である実家に着いた時の達成感。一人旅をして初めて味わえる楽しさでした。

その反面、迷いそうになりましたり、雨に降られましたり、夜道でしたり、いろんな恐怖もありました。普段いかに便利で何もかもが行き届いている環境に住んでいるかが、身を以て実感できました。ただ、コンビニや道行く人に助けられながらも、無事にこの旅行を乗り切ることができたということで、一つ逞しくなれた気がします。


こんな自転車一人旅、皆さんもいかがですか?
文責:松下 翔

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